経審の確認書類のひとつに、消費税確定申告書があります。
なぜ消費税確定申告書の確認が必要なのでしょうか。
それは課税標準額と完成工事高の関係にあります。
基本的に、建設業の売上は課税対象になるので、
消費税確定申告書の課税標準額と、完成工事高は原則一致します。
一致しない場合は次のようなケースが考えられます。
★完成工事高が課税標準額を下回っている場合
・兼業の売上がある
・雑収入がある
★完成工事高が課税標準額を上回っている場合
・兼業の非課税収入(不動産売買等)を完成工事高に含めてしまっている
・ 完成工事高を税込みで処理してしまっている
・消費税確定申告書が誤っている(修正後の申告書でない)
特に完成工事高が課税標準額を上回っている場合、粉飾決算、つまり完成工事高を水増しして、経審を有利に受審しようとしているのではないか、という疑いを持たれる可能性があります。
正当な理由がある場合には、すぐに答えられるよう、
あらかじめメモや資料等で明らかにしておきましょう。
もしも完成工事高が誤っていた場合は、
経営状況分析の結果が変わってしまうので、分析申請からやり直しとなります。
また工事経歴書も金額の整合性が取れないので、やり直しとなり、申請のスケジュールに大きく影響してしまいます。
経審の申請の際は、まず「消費税確定申告書」からチェックしましょう。
そして課税標準額=完成工事高でない場合、必ずその理由をはっきりさせておきましょう。
意外と見落としがちですが、申請の柱を揺るがしかねないポイントですので、
忘れず確認しましょう。
消費税確定申告書の確認ポイントについて、手引き等で触れていない窓口もありますが、東京都の手引きに記載がありますので、ご参照ください。
他県での申請でも同様の扱いとなっています。
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/sinsa/keiei_sinsei.htm
(東京都経営事項審査申請説明書P29)