【経審】Y点と借入のタイミング
新型コロナウイルスの感染拡大による世界の混乱はいまだ続いており、
経済活動も大きな打撃を受けています。
建設業界においても、無縁な話ではなく、企業としては従業員の雇用や会社を守るために、様々な資金繰りを検討するケースも出てくるかもしれません。
その際、経審を受けている場合は、融資や借入の時期には十分に注意が必要です。
経審の中でも特にY点(経営状況分析)は、財務状況と密接に関係し、点数に大きく反映されるからです。
★Y点の大事なポイント、純支払利息比率のお話★
Y点には、8つの指標があります。
今回のように、借入を検討している場合、その中のひとつ、「純支払利息比率」の指標と関係してきます。
純支払利息比率とは?
純支払利息比率は、売上に対して、支払利息がどのくらいあるか、ということを表した指標になりますが、支払利息=借金があるから発生するもの、ですので、当然借金が増えれば、支払利息も増えていきます。
売上高に対して、借金は少ない方が健全な財務状況と言えますので、この数値はなるべく小さく抑えたい箇所になります。
特に、純支払利息比率は、Y点への寄与度が非常に高い指標となります。
経審では直前の決算期をベースに審査が行われますので、
これから決算を迎える場合、借入をどのタイミングで行うかは、経審の点数に反映されてきます。
もちろん、経審は毎年のものなので、今回だけ乗り切ればいいというものではありませんが、2020年のように、2年に1回の入札参加資格申請の更新時期に行う経審の点数は、その後の入札受注への影響も考慮するとなんとしても維持したい部分かと思います。
そのような場合には、決算後に借入のタイミングをずらすことが出来ないか検討したり、固定資産の中に、売却できるようなものがないか見直し、資金繰りにあてるのもひとつの方法です。
(固定資産は少ない方がY点は上がる傾向にあります)
また1年以内に返済できる短期借入金にし、固定負債を増やさないようにするなど、なるべく影響の出ないような対策を取ることも大切です。
会社の財務状況に関する部分は中々相談しづらい範囲かと思いますが、
経審への影響等、判断に悩んだ場合には、ご相談ください。