令和7年 年末のご挨拶(所長)
平素は格別のお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます。
今年最後の記事作成にあたり、代表川﨑より、一言ご挨拶申し上げます。
昨年の建設業法改正に基づいて、三段階の施行が実施され、今年の12月12日に最終施行がありました。これにより、今回の改正すべてが施行されました。
私の印象ではございますが、今回の改正は、これまでの改正よりも比較的静かに行われながらも、非常に大きな影響やリスクを秘めていると感じております。
建設業界はもちろん、建設業に携わる行政書士業界も対象です。
建設業法は、許可制度、請負契約、技術者制度、経審制度、処分罰則・・・と条文が続きますが、これまで許可制度や技術者制度の改正が続きました。これらの改正は比較的目立ちやすい論点、かつ、現場施工において非常に影響が大きく放っておいても注目が集まりやすいところでした。
ところが、今回は請負契約の部分の改正がほとんどでした。
契約自由の原則(民法521条)がありながらも、建設業法でここまでルールを明文化していることは、それだけ建設業界特有の「重層下請構造」を改革しようとする意思の表れであると素直に思います。
例えば、今回の改正では「不当に低い請負代金」と「著しく短い工期」それぞれに対する請負契約締結の禁止が「建設業者」に対しても明記されました。
この2点の禁止事項は、これまでも「注文者」(発注者や元請など)側、いわば立場の強い方に対して明記されていましたが、今般、「建設業者」という主語が加わったことにより、請負契約締結に関わるあらゆる立場の者、立場の弱い受注者側(下請)も禁止となりました。
これは、非常に大きなことで、協力会社が元請に対して今後の取引関係を考慮して自ら工期を短くしたり、代金を低く設定すること、元請に対して「良かれと思って」行うこと自体も禁止となりました。
また昨年から強化された、建設Gメンによる実態調査(建設業保40条の4)も今年は多数の経験事例がありました。
請負契約書、見積書、施工体制台帳、再下請通知書、工事台帳等の書類関係の不備がないかどうか、記載内容が法令に違反していないかどうか、労務費をはじめとする金額や工期に矛盾や無理がないか等本格的に調査されています。
国や地方公共団体が建設業者の実態を把握できるのは、許可審査、経営事項審査、公共発注入札、通報、この4つのポイントしか基本ありませんでした。
しかし、今回の改正で、「今まで見られなかった部分」にメスがはいることになります。
このまま進むと、許可や経審を何年も継続して営業してきた建設業者でも、指導の対象になることが増える時代がくるのではないかと、危惧しております。
逆にとらえれば、請負契約を含む日頃の取引において法令遵守を徹底した事業者が今後、企業成長のヒントになります。
こうした改正の混乱・疑問に答えること、皆様が自分のものとして活用できるようアドバイスすることが弊社の使命です。
来年も確かな法律知識とそれを平易な言葉でわかりやすく顧客の皆様にお伝えする真の専門家として、精進してまいります。
結びとなりますが、皆様のご健康とご多幸、そして建設産業と行政書士制度の発展をお祈りして、ご挨拶に代えさせていただきます。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
令和7年12月22日
行政書士法人CLA
代表社員 川﨑 雅彦