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行政書士法人CLA

【許可】特定特定建設業許可の注意点~一度取ったら引き返せない~

こんにちは。

今日は特定建設業許可の注意点を実務の観点から説明したいと思います。

特定建設業許可は、一般建設業許可より、許可基準(要件)が厳しいですが、

様々な手引きや書籍には、そのことしか書いていません。

実はその先に大きな落とし穴もあるので、お読みいただければ幸いです。

なお、令和5年1月1日に特定許可要件の金額要件や現場専任の金額要件が変わりました。

今回は、令和5年1月1日以降に締結した請負契約を対象に、【新要件】で説明しますので、昨年までの請負契約に関しては、金額を読み替えてお読みください。

改正関係はこちらにまとめています。

1.特定建設業許可が必要な場合はどんなときか。


それでは、まず、特定建設業許可関連の法令を見ていきましょう。

建設業法16条

特定建設業の許可を受けた者でなければ、その者が発注者から直接請け負つた建設工事を施工するための次の各号の一に該当する下請契約を締結してはならない。

一 その下請契約に係る下請代金の額が、一件で、第三条第一項第二号の政令で定める金額以上である下請契約

二 その下請契約を締結することにより、その下請契約及びすでに締結された当該建設工事を施工するための他のすべての下請契約に係る下請代金の額の総額が、第三条第一項第二号の政令で定める金額以上となる下請契約

この条文の「第三条第一項第二号」とは、

建設業法3条1項2号

建設業を営もうとする者であつて、その営業にあたつて、その者が発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、その工事の全部又は一部を、下請代金の額(その工事に係る下請契約が二以上あるときは、下請代金の額の総額)が政令で定める金額以上となる下請契約を締結して施工しようとするもの

を指し、「政令で定める金額」とは、

建設業法施行令の

2条 法第三条第一項第二号の政令で定める金額は、四千五百万円とする。ただし、同項の許可を受けようとする建設業が建築工事業である場合においては、七千万円とする。

つまり、元請業者が発注者から直接請け負った建設工事を、下請業者に総額4500万円以上(建築一式工事は7000万円)出す場合に特定建設業許可が必要となります。

そして、特定建設業許可の許可基準(要件)は、建設業法15条に規定されており、一般建設業許可と異なる、厳格な基準にしています。

それは、

15条2号に記載の専任技術者要件

15条3号に記載の財産的基礎要件

の2つですが、財産的基礎要件は今日は割愛し、専任技術者要件だけ簡単に説明します。

専任技術者要件は、建設業法15条2号に書いてあり、かいつまんで説明すると、

イ 主に1級国家資格者

ロ 指導監督的実務経験

ハ 大臣認定

※指定建設業(土木一式、建築一式、電気、管、鋼構造物、舗装、造園の7業種)はイかハのみ

となっています。

2.特定建設業許可要件と現場専任の関係


ここで、現場専任の問題をおさらいしてみましょう。

現場専任とは、下記の近畿地整「建設御油法に基づく適正な施工体制と配置技術者」のP9を抜粋しますが、【戸建て住宅を除くほとんどの工事で工事一件の請負金額が4,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上】を指します。そして、ここにも書いてある通り、営業所の専任技術者は、現場における専任の監理技術者等にはなれません。

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さて、ここで特定建設業の話に戻しましょう。

特定建設業許可は、上記1で説明したように、

元請業者が発注者から直接請け負った建設工事を、下請業者に総額4500万円以上(建築一式工事は7000万円)出す場合に必要な工事でした。

下請業者に総額4500万円以上(建築一式工事は7000万円)出す、ということは、自分は、それを上回る金額で発注者から請け負っているということですね。

現場専任の条件である工事一件の請負金額が4,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上をほぼ超えていませんでしょうか。

となりますと、特定建設業許可を取る場合は、許可要件である専任技術者として1名の1級国家資格者等が必要と同時に現場の配置技術者(監理技術者)になり得る1級合格者等が1名以上必要ということになります。

最低2名必要ということですね。

工事現場を同時に複数回す場合は、その人数分1級が必要ということになります。

もし、専任技術者が現場専任が必要な工事の監理技術者等になってしまえば、

業法違反となってしまいます。

これは結構実務上大きな落とし穴になります。

専任技術者に1人1級がいればいいや、と思っていませんか。

もしこれで特定建設業許可を取得した後、大きな工事が入っても請負契約ができないのです。

せっかく特定を取ったのに・・・取れない時よりも歯がゆい想いをすることになると思います。

いかがでしょうか。特定許可を取るということはきっとそれなりの大きな工事が取れるだけの企業体力・営業力がついてきた証ですが、特定取った後は、もう引き返せません。「技術者の養成」=1級合格者を半永久的に増やし続けないと太刀打ちできなくなります。

やはり、売上の増大と技術者の養成は車の両輪なんですね。

特定許可を取りたいと検討されている方、今一度自社の体制を見直してみてください。

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