【経審】点数アップ対策|CCUSレベル判定シリーズでは、
建設キャリアアップシステムに登録はしたけど、「これからどうやったらレベルアップするのか?」、
また建設キャリアアップシステムと経営事項審査(経審)の関わりについて、解説します。
今回は、建築塗装技能者についてです。
建築塗装技能者の能力評価実施団体は、一般社団法人 日本塗装工業会です。
●建築塗装技能者の能力評価基準
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★職種
建築塗装技能者としてレベルを上げるためには、建設キャリアアップシステムで下記の職種を登録している必要があります。
対象となるのは、
・12塗装工のうち、01塗装工、03吹付塗装工
・23橋りょう塗装工のうち、橋りょう塗装工01
・35左官のうち、02吹付工
・38防水工のうち、02塗膜防水工、05シーリング防水工、06ウレタン防水工
・46ダクト工のうち、03塗装工(空気調和設備)
・47保温工のうち、07耐火被覆工
・35左官のうち、03外壁仕上工(※建設塗装工事に従事する場合に限る)
※数字はCCUSの職種コード
この職種に紐づいた建築塗装工事に従事した就業履歴がレベルアップの対象となります。
★レベル1
建設キャリアアップシステムに技能者登録され、レベル2~4の判定を受けていない技能者(登録後、何もされていない状態です)
★レベル2
システムで蓄積が必要な就業日数 :3年(645日)
システムに登録されている保有資格
※次のうちいずれか
2級建築塗装作業技能士、2級鋼橋塗装作業技能士、甲種危険物取扱者、乙種危険物取扱者、有機溶剤作業主任者技能講習、高所作業車運転技能講習、玉掛け技能講習、小型移動式クレーン運転技能講習、足場の組立て等作業主任者技能講習、酸素欠乏危険作業主任者技能講習(旧名称:第一種酸素欠乏危険作業主任者)、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習(旧名称:第二種酸素欠乏危険作業主任者)、特定化学物質等作業主任者技能講習、鉛作業主任者技能講習、四アルキル鉛等作業主任者技能講習、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習、石綿作業主任者技能講習
★レベル3
システムで蓄積が必要な就業日数 :7年(1505日)
職長・班長として登録された就業履歴:1年(215日)
システムに登録されている保有資格
※次のうち、いずれか
1級建築塗装作業技能士、1級鋼橋塗装作業技能士、1級又は2級建築施工管理技士、1級又は2級土木施工管理技士
※必須
職長・安全衛生責任者教育
レベル2の基準に示す保有資格
★レベル4
システムで蓄積が必要な就業日数 :10年(2150日)
職長・班長として登録された就業履歴: 3年(645日)
システムに登録されている保有資格
※次のうちいずれか
登録建設塗装基幹技能者、優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)、
1級建築施工管理技士、1級土木施工管理技士、建築仕上げ改修施工管理技術者、卓越した技能者(現代の名工)
※必須
レベル2、3の基準に示す保有資格
●経審の点数アップ対策
技能者がレベルアップするには、各レベルの要件を満たし、レベルアップ判定システムへ別途申請をし、認められれば、「能力評価(レベル判定)結果通知書」が発行されます。
技能者が、レベルアップすると・・・
W点への影響
どのレベルに上がったかに関係なく、2021年4月施行の経審(経営事項審査)改正で、新たに新設されたW10の評価の対象になります。
Z点への影響
また、レベル3、4になった技能者は技術職員名簿でZ点の加点対象となります。
(レベル3で2点、レベル4で3点)
ただし、経審で建築塗装技能者に対応している建設業の業種は「塗装」のみです。他の業種では評価対象となりませんので注意が必要です。
社会性等の評価項目である、W点においては、評価対象は経審受審業種に限りませんので、どの能力評価基準でも自社にレベルアップした技能者がいた場合には、技能者名簿に記載し、W10の評価を受けることが出来ます。
能力評価基準と対応する建設業の種類は下の表をご覧ください。
★別紙2 認定能力評価基準と当該各基準に対応する建設業
e9d97037b12adbe85c1cf37dc58d2e97●レベルアップには就業履歴の蓄積と保有資格の更新が必要
日々、現場に従事し、各研修や特別教育を受講し、資格を取得していても、その内容が建設キャリアアップシステムに反映されていないと、レベルアップの判定は受けられません。
建設キャリアアップシステムが運用されている現場はまだ少ないので、元請業者等の要請を受けて登録はしたものの、初回に登録した時の情報のまま、という方も多いのではないでしょうか。
今後、レベルアップを目指していくためには、新たに取得した資格をシステムへ登録するための変更申請が必要です。
また、令和3年4月1日より、技能者の2段階申請が始まり、登録料の安価な簡略型と、従来通りの登録料の詳細型の2パターンの登録方法が開始されました。
ただ、簡略型では、保有資格情報の登録はできない為、レベルアップを目指すには、詳細型での登録か、簡略型で登録後、詳細型への切り替えが必要になります。
また今後、保有資格の追加だけでなく、転職や退職、事業者、技能者の登録内容の変更など、登録後の社内管理も増えていくことが予想されます。
当事務所では、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録代行を承っております。
これから建設キャリアアップシステムを登録したい、登録後の変更申請をしたい、経営事項審査を見据えた建設キャリアアップシステムの対策をしたい、などお悩みをお持ちの方はぜひご相談ください。