【経審】決算期変更時の注意点
●決算期変更後に経審を受ける際のポイント
決算期変更があった場合、通常の経審(経営事項審査)とは、考え方が異なる点があります。
決算期変更後に経審(経営事項審査)を受ける際の、ポイントについてご案内します。
決算期を3/31から9/30にした場合の会計期間
当期 :令和 2年4月1日 ~令和 2年9月30日(6ヶ月)
前期 :令和 1年4月1日 ~令和 2年3月31日(12ヶ月)
前々期:平成30年4月1日 ~平成31年3月31日(12ヶ月)
※この場合、審査基準日は「令和 2年9月30日」
審査対象事業年度は「令和1年10月1日 ~令和2年9月30日」になります。
●ポイント① 分析申請の考え方
分析申請の場合、12ヶ月に満たない当期のみ、前期の数値を元に換算し、前期と前々期は、財務諸表の数字からそのまま算出します。
★分析申請の際の、審査対象事業年度の考え方★
審査対象事業年度:令和1年10月1日 ~令和2年9月30 (12ヶ月)
※令和1年10月1日~令和2年3月30日までの6ヶ月分は、前期を元に換算!
前期の数値×(12-6)/12+審査対象事業年度の数値
前審査対象事業年度 :令和 1年4月1日 ~令和 2年3月31(12ヶ月)
前々審査対象事業年度:平成30年4月1日 ~平成31年3月31(12ヶ月)
※12ヶ月を満たす期は通常通り
★裏付け資料★
通常、分析申請は3期分の財務諸表をもとに計算されますが、3期の中に、会計期間が12ヶ月に満たない期がある場合は、その前期分(換算の元とする12ヶ月分)の財務諸表も必要になります。
また、分析申請機関によっては換算表や、換算前の財務諸表の提出が必要となります。
●ポイント② 完成工事高と利益額
経審の場合は、分析申請の場合と考え方が異なります。
種類別完成工事高、元請種類別完成工事高については、12ヶ月に満たない期のみ換算処理するのではなく、審査基準日から24ヶ月(2年平均時)36ヶ月(3年平均時)を遡った(元請)完工高に換算し評点を算出します。
審査対象事業年度からスタートして、足りない月数を前期からスライドさせていくイメージです。
★完成工事高の審査対象事業年度の考え方★
審査対象事業年度 :令和1年10月1日 ~令和2年9月30日(12カ月)
⇒当期の完成工事高×6/6+前期の完成工事高×6/12
前審査対象事業年度 :令和 1年4月1日 ~令和 2年3月31日(12カ月)
⇒前期の完成工事高×6/12+前々期の完成工事高×6/12
前々審査対象事業年度:平成30年4月1日 ~平成31年3月31日(12カ月)
⇒前々期の完成工事高×6/12+前々前期の完成工事高×6/12
埼玉県経営事項審査申請の手引き(P56-特殊な事例の場合の記入例をご確認ください)
6317acccd1e59fe8bc4f5add086c7720-1利益額についても、同様の考え方で算出します。
通常利益額は、分析申請を受けた際の、結果通知書に「参考値」として記載されていますが、
分析申請では決算期変更があった期のみ換算されているので、改めて計算し直す必要があります。
6dba0bf8fddcac7a7d13f4db87b38b74★裏付け資料★
完成工事高の根拠とする事業年度終了報告書
(2年平均なら3年分、3年平均なら4年分)
★まとめ★
決算期変更後に、経審を受ける場合は、分析申請時の換算と、完成工事高、利益額の考え方に注意が必要です。
また、上記以外にも、裏付け資料は決算期変更に対応しているものが必要になるので、通常より、多くの資料を準備しなければならない可能性が高いです。
特に、分析申請でつまづくと、経審がスケジュール通りに進まない、また正しい経審結果が受けられない、といったことにもなりかねませんので、手引きや申請する窓口に確認し、進めていくことが大切です。
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