【許可】建設業許可の区分① 知事許可と大臣許可とは?
建設業は、軽微な工事※を除いては、許可を受けなければ、請け負うことが出来ません。
※軽微な工事とは
1件の請負金額が税込み500万円未満の工事
(建築一式は税込み1500万円未満、請負金額にかかわらず木造住宅で延面積150㎡未満の工事)
したがって軽微な工事を除く工事を請け負う場合は、建設業許可を取得する必要があります。
ところで許可取得を考えた時に、
「特定」「一般」「知事許可」「大臣許可」といった言葉を耳にすることはありませんか?
例えば、建設業許可業者のA社の許可証にこのような記載があったとすると、
A社はどのような許可を持っていることになるのでしょうか。
国土交通大事 許可 (特-〇〇)第●●号 土 と 舗
国土交通大事 許可 (般-〇〇)第●●号 塗
今回はまず、知事許可と大臣許可の違いについて説明します。
●申請する営業所の所在で決まる「知事」と「大臣」
建設業の許可の区分は、まず申請先の窓口によって2つに分けられます。
一つの都道府県にのみ営業所がある場合・・・営業所の所在する都道府県知事に申請
二つ以上の都道府県に営業所がある場合・・・国土交通大臣へ申請
この場合の営業所とは、建設業に関する請負契約の締結を行う事務所を指します。
例①
さいたま市(本店)と所沢市(支店)に営業所があり、どちらの営業所でも建設業の請負契約行為を行いたい。
⇒本店支店とも埼玉県にあるので、埼玉県知事の許可を受ける必要があります。
例②
東京に本店があり、埼玉県、千葉県に支店がある。3つの支店全てで建設業の請負契約行為を行いたい。
⇒国土交通大臣の許可を受ける必要があります。
例③
東京に本店があり、埼玉県、千葉県に支店がある。本店でのみ建設業許可を取得したい。
⇒東京都知事許可を受ける必要があります。
②のように、複数の都道府県の営業所で許可を取得する場合、各支店で許可の要件を満たさなければならない為、専任技術者や経営業務管理体制を揃えるハードルが高くなります。
ちなみに、建設工事自体は、許可を受けた営業所の所在地以外の都道府県でも行うことが可能です。
埼玉県知事許可を受けた営業所で締結した請負契約であっても、東京都内の現場で工事自体を行うことは問題ありません。
注意点としては、①や③のように社内に複数の営業所があり、許可を受けている営業所と受けていない営業所がある場合、 許可を受けていない営業所では、軽微な工事であっても、建設業の工事を請け負うことが一切出来ません。
複数の都道府県に営業所がある場合は、知事許可にするのか、大臣許可にするのか、社内の人員体制や、今後の経営計画を踏まえて熟慮が必要です。
なお知事許可を取得した後でも、国土交通大臣許可へ変更することは可能です=許可換え新規申請
ただし、申請に「新規」とあるように、新規許可取得時と同じ手数料と書類作成が必要になるので、知事許可なのか、大臣許可なのか、一般なのか特定なのか、よく見極めて決めることが肝要です。
当事務所では、書類作成前に、現状と要望、また今後の業務展開まで細かなヒアリングを行い、必要な許可の為の手続きを進めていきます。
どのような許可を取得すればいいのか、お悩みの方はぜひご相談ください。