【建設業許可】営業所に思わぬ落し穴?
建設業を営む場合、「軽微な建設工事」のみを取り扱う場合は、許可は不要です。
それ以上の金額の工事を請け負う場合は、建設業許可が必要となる訳ですが、ここで許可、営業所、軽微な工事の関係に注意する必要があります。
例えば、管工事を行っている(株)K建設という建設業許可なしの業者(大宮本店、横浜支店あり)が、
あるとします。これまでは、本店、支店それぞれで管工事の軽微な工事のみにおいて営業してきました。
今回、業務拡大のため、(株)K建設で新たに、管工事の許可を取得することにしました。
しかし人員の問題で、大宮本店にしか経営業務の管理責任者と専任技術者を配置することが出来ませんでした。
さて、ここで問題です。
【Q】
①この場合、許可申請上の営業所は、大宮本店のみでよいのでしょうか?
②また許可取得後、大宮本店と横浜支店ではどのような工事の契約・施工が行えるでしょうか?
【A】
①横浜支店には営業所の許可要件となる専任技術者がいませんので、横浜支店は許可申請上の営業所とはなれません。
大宮本店のみを営業所として申請します。
②これについては会社として許可を取得したのだから、500万円未満の工事は当然、契約・施工することができるだろう、と考えるかもしれません。
しかし、建設業許可事務ガイドラインでは次のように記されています。
許可を受けた業種については軽微な建設工事のみを請け負う場合であっても、届出をしている営業所以外においては当該業種について営業することはできない。
※事務ガイドラインP8参照
つまり、横浜支店においては、許可取得後は、管工事においては、金額の大小に係わらず、契約できないことになります。(横浜支店長名義での契約)
今まで横浜地域において軽微な工事を多数契約・施工してきた支店にとっては痛手となる可能性があります。
★あくまで行えないのは、「請負契約の締結」であり、本店が締結した請負契約に基づいて施工をすることはできます。
また許可業種の管工事以外の工事については、今まで通り、軽微な工事であれば契約することが出来ます。
許可を取れば、信頼性が上がり、売上も上がるというのが、一般的な考え方ですが、建設業においては、売上と技術者養成のバランスが成長のカギとなります。
売上が増大したり、元請業者から許可を取るよう言われた場合に備えて、自社の技術者の確保が出来ているかを十分に分析しましょう。
許可取得に関して、お悩みの方はぜひご相談ください。