【許可・経審・CCUS】建設業と社会保険の関係 シリーズ3~年金保険編~
こんにちは。
建設業において、社会保険の加入に関することは、建設業許可、経審、CCUS(建設キャリアアップシステム)など、様々な場面で登場しますが、
実はよく理解できていない・・・という声も耳にします。
このシリーズでは、建設業と社会保険の関係について解説していきたいと思います。
今日は、「厚生年金」編です!
●建設業許可と年金保険
まず、建設業許可の要件として、
適切な社会保険に加入していること(法第7条第1号、規則第7条第2号)
が定められています。
この「適切な保険」とは、雇用保険、医療保険、年金保険の3つがあります。
今回はこの中の年金保険についてです。
まずは、下記の図をご覧ください。
※「国土交通省 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」における「適切な保険」について
赤枠で囲まれた部分が、加入義務がある年金保険の種類です。
★厚生年金の加入義務がある事業所
まず、法人の場合は、必ず「厚生年金」の加入義務があります。
個人事業主でも常勤従業員が5人以上いる場合、事業所として「厚生年金」の加入が必要になります。
上記に該当する事業所は厚生年金に加入していないと、建設業許可の要件を満たさないことになります。
★適用除外となる事業所
個人事業主のうち、常勤の従業員が1~4名の場合、また一人親方など従業員がいない場合は、厚生年金の加入義務はありません。
個人として、国民年金に加入します。
健康保険と厚生年金の加入範囲については、下記の図もご参照ください。
●年金保険の確認書類のポイント
厚生年金保険に加入義務がある場合、建設業許可・経審・建設キャリアアップシステムで裏付資料の提出が必要になります。
では、実際にどのような書類で厚生年金保険への加入を確認するのか見ていきましょう。
★建設業許可の場合
例えば、埼玉県の建設業許可申請では、年金保険の加入は、下記のような書類で確認します。
※事業所整理記号・事業所番号が明記されているもの
・保険料納入告知額・領収済額通知書(写し)
・健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書(写し)
建設業許可申請の手引き・様式集 – 埼玉県 (saitama.lg.jp)
(令和6年度 埼玉県建設業許可申請の手引き P.56より抜粋)
★経審の場合
経審の場合は、 保険料納入告知額・領収済額通知書(写し) のうち、審査基準日を含む月分の保険料を支払ったことが確認できる月分を提出します。
(埼玉県の場合)
★建設キャリアアップシステムの場合
事業者登録において、
・保険料納入告知額・領収済額通知書(写し)
・健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書(写し)
で厚生年金への加入を確認します。
※上記以外にも認められる書類があります。詳細は各手続の審査窓口にてご確認ください。
厚生年金は、シンプルに法人は必ず加入、個人事業主は従業員5人以上で加入、と覚えておいてください。
また、建設業許可の新規申請、更新申請、毎年の経審、建設キャリアアップシステムなど、これらの証明書類を提出する機会は意外と多いので、裏付資料はしっかりと保管しておくことが大切です。