持続可能な建設業に向けた環境整備検討会の動き
●持続可能な建設業に向けた環境整備検討会
国土交通省では、2022年8月から、建設業界の課題や、今後の必要な施策の方向性について検討を行うための検討会を開催しています。
今回は、その中で議題となっているトピックについてご紹介します。
●軽微な建設工事の請負に係る新たな枠組み
この検討会では、様々な議題が検討されていますが、その中でも特に注目したいのが、 第9回検討会(2023/3/29) で議題となった、「建設業の許可が不要とされている軽微な建設工事の請負に係る新たな枠組み」です。
具体的には、次のように記載されています。
建設業の許可が不要とされている軽微な建設工事の請負に係る新たな枠組み
建設業の許可が不要とされている軽微な建設工事(500万円未満(建築一式1500万円未満))の請負に携わる者を対象とする新たな枠組みとして、届出制度や、現状の建設業許可と比べて簡易な要件を課す小規模建設業向けの許可制度など、中長期的に、実効性のある制度を検討する。
併せて、悪質リフォーム問題への対応という観点からも、上記の新たな枠組みによる検討を行う。
国土交通省「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会 とりまとめ(案)」より引用
これは今まで建設業許可が不要とされてきた軽微な工事についても、新たな届出制度を設ける可能性がある、というかなり興味深い内容となっています。
もちろんこれが必ず実現されるかはまだ不明ですが、少なくともこのような議題が話し合われているということはとても重要な意味を持つと思います。
詳細は下記のPDF(24ページ)をご参照ください。
e8de8529cf5cebc99a555be920f14a70●CCUSのさらなる活用は建設業界にとって避けられない流れに
現在、普及がかなり進んできたCCUS(建設キャリアアップシステム)ですが、この検討会でもCCUSの存在をかなり重要視しており、今後建設業界にとってCCUSをベースとして様々な業務に活用していくことは避けられない流れになりそうです。
特に、
・隠れ一人親方問題におけるCCUSの活用
・施工体制の管理におけるCCUSの活用
・施工品質の「見える化」におけるCCUSの活用
・技能者の処遇改善(賃金アップ)におけるCCUSの活用
など、現在の建設業界の問題を解決するうえで、まずCCUSをベースに考えていく流れが検討会全体で強く打ち出されています。
このような資料はあまり普段目にすることがないかもしれませんが、今後の建設業界の流れやそれに伴う許認可等の大きな動きについて、非常に参考になる資料ではないかと思います。
弊所では、今後もこのような資料にあたり、職務に活かしていきます。