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CLA川﨑行政書士事務所

【許可】出向役員・出向社員のあれこれ その1

こんにちは。

今日から建設業許可を中心にしばしば問題となる「出向役員」「出向社員」について整理してみたいと思います。3回シリーズの今回は第1回!

建設業許可と言いましたが、経審、公共工事の配置技術者ルール等にも横断的に関わってきます。

とても大切な部分ですし、この「出向」によって、建設業法を別の角度から深く理解できると思いますので、お付き合いいただければ幸いです。

1.前提


出向社員とは、たとえば親会社にいる役員・社員が親会社に所属在籍を残しながら子会社にきて仕事をすることを言います。

役員報酬・給与の負担は出向先(子会社)が多いですが、まれに出向元(親会社)負担もあります。

では、親会社から子会社に役員が出向して経営業務管理責任者(経管)になることはできるでしょうか?

また、親会社から子会社に役員又は社員が出向して専任技術者(専技)や主任技術者になることはできるでしょうか?

いわゆる現在常勤・現在専任や配置技術者ルールにどう当てはめるか、そこに報酬や給与負担先、負担割合が関係するのか、3回シリーズで深堀してみたいと思います。

今回は経管と専技の要件に絡めて考えてみたいと思います。

2.常勤性と専任性


今回の命題を平たく言ってしまえば「出向役員・出向社員は経管・専技になれるの?根拠は?」ということになりますが(笑)、それぞれ、常勤性、専任性の部分で問題になります。

●経管=常勤性

常勤については、建設業許可事務ガイドラインP24に詳しくあります。

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001445004.pdf

常勤性

原則として本社、本店等において休日その他勤務を要しない日を除き一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事(テレワークを行う場合を含む。)している

よって、この条件に該当する=毎日きちんと通勤していればOKなので出向社員がどういう契約形態でであれ基本的にはOKです。

(役員報酬負担先・負担割合での違いについては第3回でやります)

したがって、出向役員であっても経管になることはできます。

●専技=専任性

専任性については、上記建設業許可事務ガイドラインP27に詳しくあります。

専任性

その営業所に常勤(テレワークを行う場合を含む。)して専らその職務に従事することを要する。

専任性は、「常勤性+専ら従事」なので、常勤性より厳しいです。ここで常勤性でよい経管よりも、専任技術者は専らその職務に従事(専任技術者としての職務=請負契約締結に向けての技術的なサポート)しているかが要求され、出向社員という責任がどちらの会社になるかが曖昧になりがちなために問題になります。

しかしこれは、上記事務ガイドライン上で解決・・・明記してくれています。

会社の社員の場合には、その者の勤務状況、給与の支払状況、その者に対する人事権の状況等により「専任」か否かの判断を行い、これらの判断基準により専任性が認められる場合には、いわゆる出向社員であっても専任の技術者として取り扱う。

よって、出向社員であってもその者の勤務状況、給与の支払状況、その者に対する人事権の状況から専任性があるのであれば専任技術者になれます。

3.常勤性と専任性の具体的確認資料


経管・専技に出向役員・社員がなれるとして、どのような書類で常勤性・専任性を確認するかについては、各行政庁で微妙に違います。

まず、健康保険被保険者証。

これはどこでも絶対必要ですが、表面の所属事業者が出向元のままになっており、出向先(申請者)にはなっていないことがほとんどだと思います。したがって、下記の追加書類が必要です。

(前述の通り役員報酬負担先・負担割合での違いについては第3回でやります。)

(1)関東地整(大臣)

出向契約書(出向者名・出向期間・出向条件等が確認できるもの)。自動更新等で出向期間が見かけ上超過している場合は、出向元からの「出向証明書」

★契約書関係のみでOK。

https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000827696.pdf

上記のP12をご参照ください。

(2)埼玉県

出向契約書+出向費用(役員報酬相当額:基本的には出向先負担)振込記録1ヶ月分

★契約書と1回分の振込記録

手引きに記載なし(弊所にて確認)

(3)東京都

出向契約書+出向費用(役員報酬相当額:基本的には出向先負担)振込記録3ヶ月分

★契約書と3回分の振込記録

https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/kensetsu/pdf/2107/R04_kensetsu_tebiki04.pdf

上記のP55、P58をご査収ください。

申請先によって、出す資料がずいぶん違いますね。

これは、結構実務上は影響があるのですが、東京都のように3ヶ月分の振り込み記録だと、出向が決まってから3ヶ月経たないと出向役員・出向社員が経管・専技になれないので、前任者が辞める(取締役退任・辞任)ことが決まっているのであれば3ヶ月前から出向させておかないとダメなのです。

例えば、人事異動に伴って4/1~親会社から出向というケースで考えると、

大臣は4月1日~経管・専技変更可。

埼玉は5月頃~可。

東京都は、6月下旬~可。

ということになります。

いかがでしたでしょうか。

次回は、配置技術者(主任技術者・監理技術者)と出向について説明したいと思います。

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