令和元年 年末のご挨拶(所長)
平素は格別のお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます。
今年も早いもので、年末を迎えてしまいました。
今年は平成から令和に変わり、新時代を迎えました。弊所は建設業を専門としていますが、
建設業界では、「人手不足」を実感した1年となりました。
「仕事はあるのに人手が足りない」という社長の声をよく耳にしました。経審における技術職員名簿の人数が減少し、今後どのようにカバーしていこうか、悩んだことも多々ありました。
そして、人手不足を解消する手立てとして、「組織再編」の手続きも、多く行った年となりました。
具体的には、資本業務提携により完全子会社化したり、2つの建設業者を合併したり、
様々なスキームを、手続き面からサポートさせていただきました。
どのスキームも、根底には「人手不足解消」が関係しています。
建設業界は、昔から「3K」という決して良くないイメージがついてしまい、若者が新規参入しづらい 産業構造となっております。
この問題を解消すべく国土交通省は、社会保険加入促進・建設キャリアアップシステム導入・要件緩和の検討など、次々に花火を打ち上げていますが、現場レベルではまだまだその効果を実感することは難しいのが現実です。
また、組織再編により、複数の会社が一緒になることは、許可の側面からみれば、明確なスケジュール管理と手続きの円滑推進が一番大切です。もっとも、再編は、会社の中にいる人(従業員)と人(従業員)の想い・気持ちがついていかないと、うまくいきません。
●株式を売却して上場企業の傘下に入った。これで安心だと思ったが、施工手法や現場管理方法が今までと異なり社員が動揺している
●ある会社を子会社にしたが、その会社のコンプライアンス意識が薄く、そこからの指導が必要で大変だ
●合併して完成工事高が増えたものの、経費の考え方が異なり利益率が心配だ
など、そこにいる社員一人一人までフォローできる再編を目指さなければ、絵にかいた餅の再編となってしまいます。
行政書士は、許認可に関する書類作成・提出が伝統的な業務です。
しかし、今の時代、伝統的な業務だけでは 質の高いサービスを皆様に提供しているとは言えません。
建設業に関して言えば、弊所は、経審シミュレーション、技術者養成計画策定、許可スケジュール管理、営業所状況管理、入札状況管理など、様々な場面で伝統業務に付随してコンサルタント業務を行っております。しかし、これらコンサルタント業務をさらに追加し、
組織再編における「見えない資産の見える化」というものを研究・提供していかなければならない、
と今年は痛感いたしました。
例えば、合併案件において、特殊な許可・経審手続きを行うだけでなく、
●税務申告用の決算書に反映されない資産(経審のX・Y・Z・W要素など)がデューデリジェンスの土台に上がっているのか
●見えない資産を見える化し、価値があると評価の土台に上がっているか
を精査・提案していかなければなりません。
「人手不足解消」「組織再編」は今後ますます増えてくると思います。弊所は、建設業の専門事務所として、単なる申請代理に甘んじることなく真の再編支援ができるよう、今後益々精進してまいります。
来年も、弊所を何卒よろしくお願い申し上げます。
CLA川﨑行政書士事務所 行政書士 川﨑雅彦